ハウスメーカーに土地探しを頼むと・・

家を建てる土地をハウスメーカーに探してもらうと・・・

「このハウスメーカーに決めよう!」と決めてから土地を探す人は少なからずいます。
ハウスメーカー側も「土地探しからお手伝いします」とPRしていますので、家の相談ついでに土地の相談もする(した)という方も多いでしょう。

建物は、住宅展示場やカタログ、専門誌やホームページなどで、”最も理想的な状態”をみて夢を膨らませ、大きな期待をしているので、実際に出来上がったものとイメージが違うというのは、ハウスメーカーで家を建てた殆どの人が経験している事のようです。また、建物だけでなく土地も期待していたのと違ったという人は少なくありません。それどころか、土地が原因で早期に手放す人もいます。
なぜ、ハウスメーカーに土地探しを任せると、残念な土地を家を建てることが多くなってしまうのでしょうか?

ハウスメーカーは、家を建てないと利益にならない

ハウスメーカーというぐらいですから、家を建てることがメインの事業です。土地がなければ家が建たないので、必要だから探しているだけで、建てられさえすればよいと考えているのだと思います。その結果、お客様のために良い土地を探そうというより、希望する予算内で(出来るだけ建築費に回せる)土地を探そうとなります。

また、ハウスメーカーが土地を探す場合は、接している営業ではなく、極端な場合は、ド素人の事務員レベルの社員が担当しています。なぜならば、不動産流通機構などの情報の他、不動産検索サイト(athomeSUUMOなど)で物件を探して、不動産会社に問い合わせるだけなので、特別なスキルはいらないからです。予算と希望の地域、必要な広さから探して電話などで問合せ、資料をもらって家を建てたい人に紹介するだけです。(物件調査は、売主側の宅建士がやってくれます)

メリット・デメリット

ハウスメーカーに土地探しをしてもらうメリット

  • 家が建つ場所を探してくれる
  • 煩わしい手続きなども全部やってくれる

ハウスメーカーに土地を探してもらうデメリット

  • お客の身になって探すことはない
  • 家が建てられれば、その土地の履歴や素性は調べない
  • 地域性などは考慮しない

ハウスメーカーにも社員が宅建を取って、宅建士としての業務を行いますが、不動産業は宅建士を取れば誰でもうまく出来るというようなものではなく、それなりの経験をし、知識を身に付けないと実際には役に立ちません。でも、ハウスメーカーの宅建士は、所属しているだけに近く、必要な経験もほぼないですし、いろいろな教えを得られることもないため長年やっていても「?」となるようなことをする人が多くいます。「土地を売る」や「土地を買う」といった業務を任せるには、本業の不動産業の人と比べるといささか見劣りがすることも多く、話しを全て信用するのは危険かもしれません。

ハウスメーカーに振り回された人の話し

土地を探しているという人からの相談があり、希望のエリアと広さ、予算などの条件をお尋ねしましたら、到底ムリな条件(坪当たり30万円くらいの地域で100坪、1000万円以内のような条件)でしたので、相場からかけ離れていることをお伝えしましたら、少しムッとして奥様が「ハウスメーカーの方がこのぐらいであると言っていました。」とキッとして反論なさってきたので、その辺りで売り出している物件の一覧のほか、路線価図なども見せて、その様な物件はあり得ないことを伝えました。
すると旦那さんが「出物とか、事故物件とかないですか?」というので、出物なんて不動産には無いと言っても良いこと、例えあっても業者が即金で買ってしまうこと、土地は事故物件にならないことをお話ししましたら、今までの経緯をお話しくださいました。奥様の希望のエリアでどうしても家が欲しいと考えて、住宅展示場で気に入ったハウスメーカーに相談したそうです。その時に接客したハウスメーカーの女性社員が「100坪ならば1000万円くらいであります。」と言ったので、それを真に受けていろいろな不動産会社を回ったそうですが、どこでも「希望に合った物件が出たら連絡します。」とそっけなく(当たり前ですけど)されて、私のように詳しく説明して教えてくれる人は誰もいなかったそうです。

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